タグ・ホイヤー×ポルシェ新作が登場。新CEOのもと初めてリリースされるコラボ腕時計はル・マンへのオマージュ、そして新しい手法や技術が満載された価値ある一本に

タグ・ホイヤー×ポルシェ新作が登場。新CEOのもと初めてリリースされるコラボ腕時計はル・マンへのオマージュ、そして新しい手法や技術が満載された価値ある一本に

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ポルシェ× タグ・ホイヤー史上、もっとも独自性が高い一本だと言えるだろう |

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素材、加工方法、フィニッシュとも満足の行く一本に違いない
タグ・ホイヤー「カレラクロノグラフ × ポルシェ963」はこんな腕時計
タグ・ホイヤーはこの数年でイメージが大きく変わった腕時計ブランドである

素材、加工方法、フィニッシュとも満足の行く一本に違いない
さて、 タグ・ホイヤーが新作 腕時計「 カレラクロノグラフ × ポルシェ963(CBU2010.FT6267 / 1,155,000円)を発表。

これはもちろんポルシェとのコラボレーションによる カレラシリーズ最新作となっていますが、はじめて「963」の名を冠しており、 タグ・ホイヤーいわく「耐久レースの世界へのトリビュート」。※限定963本

そしてこの耐久レースとはもちろんル・マン24時間レースを指しているのだと思われ、しかしおそらくは商標の問題にてこの名称を使用できないのか「ル・マン」の文字は入らない仕様です。

タグ・ホイヤー「 カレラクロノグラフ × ポルシェ963」はこんな 腕時計
そこでこの カレラクロノグラフ × ポルシェ963を見てゆくと、まずケース素材はステンレススティール、ケース直径は44ミリ。

ただし特筆すべきはケースデザインが現行カレラのいずれとも(そして過去にラインアップされていた カレラ キャリバー ホイヤー01とも)異なることで、ストラップとの接合部分そしてケースサイドの「溝」などこのモデル特有の意匠を持つように見えます。

アワーマーカーはホワイト、クロノグラフ針と左右サブダイヤルの針はレッド、そして4時位置付近には(おそらく)タコメーターのレッドゾーンをイメージしたと思われるマーキングも。

ベゼルはブラックカーボン、そして「PORSCHE」文字が入ります。※このシリーズではカーボンベゼルの採用も初だと思う

そしてケースサイドには「PORSCHE」文字(くぼんでいる部分はサンドブラスト/ダーク仕上げ)、ケースの6時位置には「963」の刻印、そして文字盤は(ポルシェとのコラボモデルでは初の)スケルトン。

なお、 タグ・ホイヤーのエンブレムが乗る「X」状のパーツ、ダイヤル外周が半円断面状に盛り上がっていることがわかりますが、これは「レーシングカーに採用されるチューブラーフレーム」をモチーフとしているのだそう。※これだけ拡大しても精度/フィニッシュに破綻が見えないのは称賛すべきところである

ケースバックもスケルトン、ケースバックには「LIMITED EDITION」の文字、そしてシリアルナンバー(xx / 963)が打たれます。

ローター形状はもちろんステアリングホイールを模したもので、「 TAG HEUER」「PORSCHE」文字はダイヤルのアクセントとシンクロするレッドに彩られることに。

搭載されるムーブメントはTH20-00、パワーリザーブは80時間です。

ストラップはラバー(ブラック)、フォールディングバックルには タグ・ホイヤーのエンブレムが入ります。

全般的に見て、これまでにリリースされて生きた タグ・ホイヤーとポルシェとのコラボ 腕時計とはまったく異なる仕様とデザインを持っており、その加工技術や表現手法も「新しく」、手に入れておく価値がある一本という印象。

そのぶん、これまでのコラボモデルに比較するとやや高価ではあるものの、その差額を補って余りあるだけの仕様を持っている、と思います。

タグ・ホイヤーはこの数年でイメージが大きく変わった 腕時計ブランドである
タグ・ホイヤーはこの数年、ブライトリング同様に大きくそのイメージを変革している 腕時計ブランドですが、その変革はまず1999年にルイ・ヴィトン筆頭のLVMHグループ傘下に入ったことからはじまり、その後2014年にジャン-クロード・ビバー氏が タグ・ホイヤーCEOに就任したところから大きく変わります。

同氏はウブロを成功に導いた人物で、そこでは「ラバーブレスの採用」「スケルトンダイヤルの採用」という、それまでのラグジュアリー ウォッチの世界では見られなかった要素を取り込んでいるわけですね。

そして同氏は タグ・ホイヤーCEOへと就任するに際してウブロでの成功法則を持ち込むことになり、ここで大きく( カレラ キャリバー ホイヤー01をはじめ)デザインが変わってゆき、一気に近代的に、そして「ウブロっぽく」変化しています。

これはこれで人気があったものの(実際のところ中古相場は堅調である)、2020年にフレデリック・アルノー氏(LVMHグループ会長、ベルナール・アルノーの3男)が就任した後にまた方針が変わり、そこからはヘリテージを重要視した展開へとシフトしたようで、「 カレラ」「モナコ」といったシリーズについても過去モデルへのオマージュ(リバイバルではない)が増え、その反面モダンなデザインを持つ カレラ キャリバー ホイヤー01がラインアップから消えてしまい、スケルトンダイヤルもトゥールビヨンを除くと「全滅」状態に。

そして2024年1月からはジュリアン・トルナーレ氏が新しく タグ・ホイヤーのCEOへと就任したと発表され(フレデリック・アルノー氏は タグ・ホイヤーやゼニス、ウブロを統括するLVMHの 腕時計部門CEOへと出世)、しかし現時点で同氏の方向性は「不明」です。

ただ、「フォーミュラ1」の復刻、そして今回の「 カレラ キャリバー ホイヤー01風の」新作 カレラの投入を見るに、ジャン-クロード・ビバー氏やフレデリック・アルノー氏とも異なる路線を採用することになるものと思われます。

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